HOME > 新着情報 > さろん・ど・コラム「知らない物は買わない」

さろん・ど・コラム「知らない物は買わない」

『知らない物は買わない』

 前にも書いた覚えがあるが私達の商売はお客さんが店に入ったら何も食べずに帰ることは先ずない。ほとんどのお客さんは何か注文してくれる。そこへいくとデパートとかスーパーなどは入ったお客さんが全員必ず買い物をするとは限らない。入っても別に買わなくても良い店は逆に言うと入り易い。私達の商売のように入ったら最後、何か注文しない訳にはいかない様な店には入る前に強い覚悟がいる。知らない店に入るのは誰もが多少の不安がある。どんな味か値段は?とか、出来たら入る前にその不安に対する情報は欲しい。今は少なくなったがサンプルケース等はその不安に応えている道具だろう。不安があるところには行きたくないから馴染みの店に行ってしまう。そこには『安心』がある。だが馴染みのお客さんばかりだとジリ貧になっていく前年比をキープしようと思えば新しいお客さんを取り込んでいかねばならない。
 店と言っても色々業態があり飲食店は食べ物屋と飲み屋さんがあるが飲み屋さんで遊んでる姿は外から見られたくない。男は一歩外に出たら七人の敵が居ると言う。飲んで遊んでいる姿を人に見られたくない。男は狩人だからそんな姿人に見られたら評価が下がる信用も下がる。そうなったらいい『商』が出来ない・・だから丸見えのキャバレーなど存在しない。店内も暗い間仕切りも多い。エンディングの曲が流れてきたら店内は明るくなり恥ずかしくて早々に外に出てしまう。そこへいくと食堂は『飯でもたべよう』が親しい仲の象徴であったり、大きな晩餐会など歓迎最高のもてなしなどに利用される。家族単位で一緒にご飯を食べるのは豊かさであり、仲の良さであり、それは外部の人に対しても隠すべきものでもなく、むしろ自慢である。だからファミレス等の店内は丸見えでも良いわけだ。

 私達の業種の店にお客さんは何を求めているのだろう?

 深層心理はどのようなものが潜んでいるのだろうか?

 とにかく、一度入ってもらえれば二度目は常連と同じ。その一度目が問題であると言うことは誰もがわかる。自分が知らない店に行く時、何に不安かを考えてみる。ランチの幟は出ていても値段も内容もわからない。このセットメニューがこの価格ですよ。と訴えなければ不安は解消されない。自分が分かっている事は人も分かってくれているもの思ってしまっているのか。分かっていないお客さんに親切な説明もしていないのに『こんなに美味しいのになぜ売れないのだろう?』と思ってはいないだろうか。人は知らないものは買わない。私達が旅行に行って土産売り場で試食用が出ているものは買い易いが、そうでない物は買いにくい。私達の店でも試食後に入ってもらうのが一番だろうが、そんな訳にもいかない。鰻屋さんが外の美味しそうな匂いを出すのは一つの試食的な売り方なのかも知れない。いずれにしても自分の思っている事をやっているということを外に向けてアピールしないとお客さんは増えてこない。自分の良心も伝えなければ知ってもらえない。知らないものは買わないし知らない店には行けれない。

 『もっと早く知らせてくれたらよかったのに・・・知っていたら行ったのにね・・・よく聞く言葉である。豊橋麺類組合 理事長 原 勉